NHK連続テレビ小説『風、薫る』で、主人公・りん(見上愛)の母親・美津を演じているのが水野美紀だ。武家の娘として生まれ、娘たちを優しく見守りつつ、いざとなったら強さも見せる母として、安定した演技を見せている。

水野美紀 ©︎時事通信社

大河ドラマでは眉を剃り、女郎屋の女将を熱演

 水野といえば、昨年の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』で、吉原の女郎屋を切り盛りする眉毛のない女将・いねを熱演したことが記憶に新しい。冷たく見えるが、女郎たちの苦楽を知り尽くしており、彼女たちを温かく見守る役柄を十二分に表現していた。眉は特殊メイクによって消していたが、水野が極限まで眉を剃ったおかげでメイクを時短できたという。

 水野美紀ほど波乱万丈の俳優人生を送っている人もいない。また、水野美紀ほど演じた役の幅が広い俳優もいないだろう。エキセントリックな奇人役も穏やかな善人役もお手のもの。その上、今でも第一線どころか大河ドラマと朝ドラというメインストリーム中のメインストリームで大きな役を演じているのだから、本当に稀有な存在だと言える。

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デビュー作は宇宙人役…アフレコで「ヴエエエ」

 1974年、三重県四日市市出身。小学6年生のときにマンガ『ガラスの仮面』を読んで俳優に憧れた。少林寺拳法の道場に通っていた経験も持つ。中学1年のとき、コンテストで準優勝したのをきっかけに大野しげひさが代表を務める事務所にスカウトされ、中学卒業とともに上京。デビュー作の特撮ドラマ『地球戦隊ファイブマン』(1990年)では、怪獣になって戦う敵の宇宙人役を演じた。アフレコで「ヴエエエ」という声を出すのが大変だったという。