アメリカとイスラエルのイラン攻撃によって、イランの最高指導者・ハメネイ師と、シャムハニ最高指導者顧問、革命防衛隊のパクプール司令官、ナシルザデ国防軍需相、ムサビ軍参謀総長が1日のうちに殺害された。このようなアメリカの軍事力は、どこで生まれたのか。ジャーナリストの大西康之氏が解説する。

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魔法の力を授けた男

 歴史を振り返れば、諜報活動をベースにした敵国指導者の暗殺はアメリカという国の十八番である。だが、いま我々が目の当たりにしている「斬首作戦」は、かつてのそれと、精度、速度、威力において性質が異なる。

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殺害されたハメネイ師 Ⓒ時事通信社

 アメリカは今や地球上のどこでも、ターゲットにした人物を意のままに排除できる。そんな「魔法の力」をトランプ政権に授けた男が3月5日、我が国の首相官邸を訪れた。日本経済新聞の「首相動静」が短く伝えている。

〈▷15時20分 米データ解析大手「パランティア・テクノロジーズ」のピーター・ティール会長らの表敬。〉

 面会時間は約25分間だったが、ネット上では「2月28日のハメネイ師殺害にパランティアのサービスが使われた」との情報が飛び交い、高市早苗首相の訪米を目前に控えた3月17日の参院予算委員会では、参政党の神谷宗幣代表が「ネット上では政府が今後、同社のサービスを一気に導入するのではないかという懸念の声が上がっている」と質した。

ピーター・ティール氏 ©文藝春秋

 首相は「サービスの利用については話題にしていない」とかわしたが、俄には信じ難い。

 ティール氏とパランティアの概要を説明しよう。