一風変わった店名の由来
注文した商品ができあがるまでの間、開店の経緯などをきいてみたのだが、それがすごく面白い。
まず、なぜ「立喰いそば・うどん 日下部和平」という店名にしたのかきいてみた。普通なら名前の一部を使って「晴れそば」とか「そば晴美」とかを思いつくはずだ。
すると坂従店主は「突然思いついた」というのである。どうも意表を突く名前にしたかったようだ。
坂従店主はチェーン店で修業してきたそう。40代は高速道路PAの飲食関係会社に勤め、調理部門やホール接客などあらゆる部門を経験してきたという。そして、50代になると、中堅そばチェーン店で働いた。そば以外も、そばも、しっかりノウハウを身につけてきた。そして「大勢の職場で働くより、手足を伸ばしやすい自分のやりやすい環境で仕事がしたくなって独立を考えた」というわけである。
「かき揚げ天玉そば」を食べていると思い出した“あの一杯”
そんな話をしていると「かき揚げ天玉そば」と「いなり」が登場した。
まず、つゆをひとくち。おお、これはうまい。薄口醤油を使っている。出汁は昆布、鯖、鰹節、鰯、ムロ鯵などの混合節、いりこで出汁をとっている。そばは大手製麺所の茹で麺だが、やや太い麺でコシもあってなかなかよい。坂従店主はこの茹で麺にこだわったとか。
かき揚げは揚げ置きだが、カラッと揚がっていてつゆに徐々に溶けていく。そばとつゆ、そして天ぷらのバランスがよい。また、うつわは鶯色と白色のツートーン。この味でこのどんぶり模様。どこかで食べたことがある。そうだ。東急大井町線の旗の台駅近くにあった「だし家」の一杯ととても似ているのだ。「だし家」は2017年7月31日に大将の病気により突然閉店した店なのだが、急に当時のことを思い出した。
「だし家」は荻窪で「いちふじ」を経営していた大将が始めた店で、自家製のしょうが天、薄口醤油を使った出汁が利いたつゆがたまらなくうまかった。
和田町に来て、まさか「だし家」の味を思い出すとは。ちょっとしんみりしてしまった。
「いなり」はしっかりと炊いたお揚げがしみしみでなかなかうまい。あっという間に食べてしまった。



