『和のなるほど図鑑』(みっけ 著)

 著者はSNSを中心に作品を発表しているデザイナー。身近な雑学や教養を扱った『知りたいこと図鑑』(KADOKAWA)、語彙をテーマにした『見て楽しむことば図鑑』(幻冬舎)といった著書があり、いずれも好評を博してきた。

 本書でテーマに取り上げたのは「和」。「日本語」「自然」「文様と伝統色」「暦」「芸術と芸能」「趣のある場所」「伝統行事」「神様とあやかし」「和装」など14の切り口から、「和」の世界を柔らかな印象のデザインでビジュアル的に紹介している。

「本書の企画を立てた当初は、和柄や文様といったデザインに寄った図鑑を想定していました。ですが、『鬼滅の刃』を始めとした和風コンテンツの人気の高まりを踏まえて、和の文化に興味を持ち始めたライト層が気軽に楽しめる書籍を作ろうと企画を練り直しました。もともと著者のSNSでの発信では、雑学をテーマにしたものが人気でもあるので、その特色も活かせるのではないかとも考えたんです」(担当編集者の梶野有希さん)

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『鬼滅の刃』以外にも、映画『国宝』やゲーム『刀剣乱舞』など、たしかに「和」の魅力を備えたコンテンツは近年勢いを増している印象だ。NHKの大河ドラマの人気も根強い。

「着物や和のモチーフはもちろん、コンテンツを通じて歴史に興味を持つ方も大勢います。そうした方も楽しめるように、ただデザインを扱うだけではなく、『歴史と文化』の章も設けました。他にも章立てでは近年のトレンドを意識していて、たとえば『自然』の章では、誕生石や花言葉なども項目に入れています。石や花といったテーマは書籍の題材として人気があり、和名のロマンチックな言葉の響きも愛されているので、その要素は意識して掲載しました」(梶野さん)

 巻末には参考文献・資料リストがずらり。ファクトチェックにも気を配った。幅広いニーズに応える内容が、老若男女問わず「和」好きの読者層に届いてヒットしている。

 特徴的な需要として挙げられるのが創作方面だ。短歌や俳句、小説やマンガなど、趣味として創作に親しむ人が多い昨今。反響を見ていると、そうした人たちが気軽にめくって、インスピレーションを得る源にしている印象があるそうだ。

2025年12月発売。初版1万部。現在4刷5万部

和のなるほど図鑑

みっけ

インプレス

2025年12月18日 発売