スコンと金づちで⋯

「オレが何で怒っているのか分かるか?」

「それは何度も説明しましたけど、私が意図的に連絡しなかったと思われているなら、それは誤解です」

 高橋はジェスチャーでスタジオの端の方へ行けと指示し、里美さんの髪を引っ張り上げ、ヘッドロックをかけて床に押し倒した。

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「何するんですか!」

 さらに高橋は里美さんに馬乗りになり、ギュウギュウと首を絞めてきた。

(こ、殺される……)

 誤解を与えたにしろ、どうしてここまでされなければならないのか。里美さんは涙目で高橋を見上げながら、やがて意識が遠のいていった。

 一方、高橋は持参した金づちとたがねを取り出し、小指の上に押し当てた。だが、それでは指が細過ぎて薬指まで切ってしまいそうだったため、親指を切ることにした。

 スコンと金づちでたたくと、簡単に切れた。ここまでは想定の範囲内だった。仕事を辞めた上、自宅を引き払い、退路を断っての計画的犯行だった。