3/6ページ目
この記事を1ページ目から読む
スコンと金づちで⋯
「オレが何で怒っているのか分かるか?」
「それは何度も説明しましたけど、私が意図的に連絡しなかったと思われているなら、それは誤解です」
高橋はジェスチャーでスタジオの端の方へ行けと指示し、里美さんの髪を引っ張り上げ、ヘッドロックをかけて床に押し倒した。
「何するんですか!」
さらに高橋は里美さんに馬乗りになり、ギュウギュウと首を絞めてきた。
(こ、殺される……)
誤解を与えたにしろ、どうしてここまでされなければならないのか。里美さんは涙目で高橋を見上げながら、やがて意識が遠のいていった。
一方、高橋は持参した金づちとたがねを取り出し、小指の上に押し当てた。だが、それでは指が細過ぎて薬指まで切ってしまいそうだったため、親指を切ることにした。
スコンと金づちでたたくと、簡単に切れた。ここまでは想定の範囲内だった。仕事を辞めた上、自宅を引き払い、退路を断っての計画的犯行だった。