事件が起きたバレエ教室はその後⋯

「実行すれば、間違いなく刑務所に行くとは思ったが、泣き寝入りするのは違うと思った。逮捕後、刑事や検事に『怒りは分かるが、やり過ぎだ』と言われ、留置されている他の収容者にも『お前が怒るのは当然だが、やり過ぎだ』と同様の指摘をされた。そこで初めて自分の感覚が世間一般からズレているのかなと感じた。確かに切った後もスッキリした気分にはなれなかったし、また別の嫌な気持ちが出てきたし、今はやらなければ良かったと思っています」

 結局、どうすれば良かったのか。

「最初の時点で『すみません、伝え忘れていました。今後は気を付けます』と一言でもあれば許せていた。しかし、被害者は『次のレッスンもあるので帰ってください』と言った。さらに発表会を撮影したDVDでは出演者のインタビューも収録されるが、インタビュー撮影に呼ばれていなかったことが分かった。なぜ撮影を教えてくれなかったのかと聞いても、『私にも悪いところはあったのかなあ』とバカにしたように言った。また、あるときは分からない動きについて質問すると、『この程度の動きは58歳の私の父でも教えればすぐにできるようになる。私をキレさせるな』と怒鳴られた。侮辱されているようで、腹が立った」

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 悲惨なのは現場となったバレエ教室だ。

写真はイメージ ©getty

 退会者が続出し、売り上げは激減。わずか2週間で閉鎖することになった。里美さんは高橋から100万円の賠償金を提示されたが、受け取りを拒否した。