投資マネーが集まらない結果…
国内外の投資マネーが不動産価格上昇の一因とされる。では名古屋に投資マネーは集まっているのだろうか。不動産証券化協会調査の上場J-REIT(不動産投資信託)の保有不動産所在地の分布をみると、東京都区部が43.9%、近畿圏で15.3%を占めているのに対して名古屋を含む中部圏ではわずか5.4%にすぎない。
東海道線が貫き、日本列島のほぼ中央部にあって、古くは織田信長、豊臣秀吉、徳川家康という天下人を輩出した愛知県の中心名古屋であるが、観光面や不動産投資面においてはスルーされているのが現状で、結果として地価上昇が穏やかになっていることが推察される。
地価が激しく上昇していない名古屋だが、マンション価格もおどろくほどリーズナブルだ。2025年における新築分譲マンション価格は3941万円と前年比で11.4%の下落。札幌(6022万円)、仙台(5766万円)、福岡(5305万円)、広島(5248万円)を大幅に下回っている。同じく中古マンション平均価格でも2907万円。東京都区部(1億393万円)や大阪市(5113万円)などと比べて格安なのだ。
“割安不動産”で暮らしやすい名古屋
名古屋は居住環境も格段に恵まれている。人口密度は1㎢あたり7165人と東京都区部(1万5840人)、大阪市(1万2489人)よりはるかに余裕がある。在留外国人も11万人と市の人口の4.7%にすぎず、東京都区部(6.1%)、大阪市(7.6%)と比べて突出して少ない。
このように考えてみると名古屋は、インバウンドだ、投資マネーだといった余計なものが入らず、ある意味健全な日本人の実需を忠実に反映した街ともいうことができる。名古屋のある愛知県は第二次産業の割合が日本一高く、トヨタ自動車などに代表される製造業が多く居を構え、県民所得も高い水準を示している優良で暮らしやすい街なのである。
リニア新幹線の開通も予定される名古屋、実は狙い目なのかもしれない。
