この条項の第二項では、例外的に保険診療との併用が認められる項目、すなわち「混合診療禁止の例外規定(保険外併用療養費)」を定めています。
たとえば、入院中の食事代や差額ベッド代(選定療養)、あるいは未承認薬などのうち有効性を評価中のもの(評価療養・先進医療など)が該当します。
例外に指定されたものにかぎっては、同一の診療行為のなかで自費負担を組み合わせることが「適法」となるのです。
今回、政府は「OTC類似薬に一定の自己負担を課す」という政策を実行するにあたり、この第二項に新たな一号をくわえることで、「混合診療の例外」をふやす改定をおこなおうとしているわけです。
法文に埋め込まれた“不可解な一文”
そこで問題となるのが、先に示した法文の一部不可解な文言です。
「代替性が特に高い薬剤を用いた療養その他の適正な医療」、この部分です。
「代替性が特に高い薬剤」というのは、OTC類似薬を指すものとわかります。
しかしこのOTC類似薬を指す文言には、「を用いた療養その他の適正な医療」という文言がくっつけられているのです。
今回の改正では、OTC類似薬の薬剤費にかんすることだけを「例外規定」とするものだと私はてっきり思っていました。
ところがこの文言が接続されることで、「厚生労働大臣が定める」「保険給付の対象としないものとする療養」の範囲は一気に拡大してしまうのです。
いや、拡大どころの話ではありません。
OTC類似薬の薬剤費はもちろんのこと、この対象薬剤をもちいた一連の医療における他の医療行為(診察・検査など)、さらに「その他の適正な医療」となると、これはもうあらゆる医療行為が保険給付の対象からはずされる可能性があるということになります。
混合診療解禁で起こる4つの問題
このような懸念を述べると、「まさかそんな大げさな」という人が必ずあらわれますが、じっさいの運用でおこなわないと国会答弁で「口約束」されても、法文上で可能であるかぎり、いったん法制化された以降は、国会審議を必要とせず、ときの厚生労働大臣によって恣意的な運用がなされても文句は言えなくなるのです。