時には、座りたくないほどの痛みが……。女性にも痔に悩む人は多い。恥ずかしさを感じたとしても、受診やケアは必要。女性に多い痔の種類、そして予防になる生活習慣とセルフケアの方法を学んで、お尻の悩みを解決しよう。

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罹患者の約半数は女性

 国民の2〜3人に1人が悩んでいるとされ、もはや国民病といえる「痔」。痔=男性の病気というイメージがあるかもしれないが、罹患者の約半数は女性だ。

「とくに女性は40〜60代の罹患が多く、受診に来るのもこの層が最多です。悪化すると、椅子に座るのをためらうほどの痛みや、患部の潰瘍化による排便困難などに苦しめられることになります。裂肛の一部を除き、痔は基本的に自然治癒することはありませんので、放置してはいけません。しかし、すべてがすべて、手術に頼らなくてもいい。セルフケアで症状を和らげることや、予防につなげることが可能です」

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 こう指摘するのは草間香医師。肛門外科を専門とする草間かほるクリニックで約20年にわたり痔の患者の診察・手術を担ってきた。

草間香医師

 ひとくちに痔といっても、じつは3種類ある。いぼ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)、痔ろう(あな痔)だ。

 このうち女性に多いのが、いぼ痔と切れ痔。それぞれ症状と発症の要因をみていこう。

 痔の罹患者の半数を占めるのがいぼ痔で、文字通り肛門に、いぼ状の膨らみ(痔核)ができるタイプだ。

いぼ痔の要因は?

「いぼができる場所によって内痔核と外痔核に分かれます。肛門の2cmほど奥に直腸の粘膜と肛門上皮を分ける歯状線という境界線があり、これより内側にできたものを内痔核、外側にできたものを外痔核と言います。歯状線より外側にしか知覚神経がないため、外痔核は痛みを伴いますが、内痔核は痛みを感じません。痛み以外の症状は、出血、痔核の肛門からのはみ出しです。初期は出血で気づくことが多く、進行すると排便時に痔核が肛門外にはみ出すようになります。次第に指で押し込まないと元に戻らないようになり、最終的には常にはみ出した状態になってしまいます」