「革命行為として評価されている」

 その論理は驚くべきものだった。中国の伝統医学の思想が革命の論理と融合し、「肝臓を食べれば自分の肝臓が良くなる」「該当する部位を食べればその部位が良くなる」という考えが、反革命分子を喰らうという革命行為の正当化に重ねられたのだ。

「だから自分が悪いと思ってないんです。中国も処分してない。処分されてないということは、革命行為として評価されている」

 

 楊氏は静かに、しかし語気を変えずに言い切った。加害者が裁かれないまま社会に留まり続けた結果、社会の分断は今も深く残ったままだ。

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 食人という極端な現象は、文化大革命の一側面に過ぎない。憎しみをいかに動員し、その矛先を都合よく誘導したか。その手法は、現代中国においても形を変えて引き継がれている。では、その「未完の革命」は現在の習近平体制にどう影を落としているのか? 幼少期から注入されるプロパガンダの正体について、動画ではさらに深い事実が語られている。

【文化大革命から60年「人民による食人・暴力・飢餓の全貌」】日本人も関わった文化のプロパガンダ|民族ジェノサイドの記憶|証拠を焼却…資料集めの難しさ|飢餓ではなく「恨むからこそ人を食べる」【楊海英】
次の記事に続く 「粛清の資料はすぐに焼却しろ」中国共産党の命令に、なぜ被害者は“喜んだ”のか? 文化大革命に隠された「残酷な罠」