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「負の歴史」は根強く残っている
──ですが、「中国産」というだけで、過去の「毒餃子事件」や「残留農薬問題」などの危ないイメージを今でも持ってしまう消費者が多いのでは?
山本 確かに以前は、中国の安全に対する考え方管理体制などに不安がありました。しかし20年以上前のこと。餃子の事件が問題になった2008年当時私は冷凍食品記者クラブ代表として現地の食品衛生監視行政の取材を企画し、制度改革の取組を見てきました。さまざまな事件を契機に法律や制度も変わり、今ではトップレベルの安全性と管理体制を維持しています。それでも、中国産の残留農薬や有害物質の問題がかつて多く取り上げられた「負の歴史」は、今でも根強く残っていると感じています。
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冷凍食品に関しては、過去にさまざまな事件が起きている。
2002年、中国産冷凍ホウレンソウから、わが国の基準に違反する有毒物質「クロルピリホス」が検出され、大きな問題となった。
2005年には中国産ウナギから使用が禁止されている合成抗菌剤「マラカイトグリーン」が検出される問題が相次ぎ、消費者の中国産冷凍食品の買い控えが起きた。
さらに、2007年から2008年にかけては中国・天洋食品製の冷凍餃子から有機リン系殺虫剤メタミドホスが検出され、千葉県と兵庫県で同製品を食べた10人が中毒症状を起こした。
国内で2013年にアクリフーズ(現・マルハニチロ)群馬工場製造の冷凍食品に、いたずら目的の一従業員によって農薬のマラチオンが混入された事件は、この2008年の「毒餃子事件」に酷似しており、社会問題となった。
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