ざっくり捉えるなら1980年代までが「昭和」(1989年が平成元年)、1990年代が「平成初期」、2000年代が「平成中期」、2010年代が「平成後期」となる。そして2020年代からが「令和」と覚えてみよう(2019年が令和元年)。

よって、本稿で登場する「かつての若者」は昭和時代に幼少期を過ごし、平成前期に「子ども」から「若手」になった人たちを指す。

自分らしさは大事でも、今の若者と大違い

「かつての若者」の実態を理解するためにまず参考にしたいのは、当時の『週刊東洋経済』(東洋経済新報社)だ。まだ紙の雑誌がよく売れていた時代。分厚い取材に、誌面構成も気合が入っている。

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見ていくのは、2001年3月号の特集記事「なぜ僕らは会社を辞めるのか」と2004年3月号の特集記事「深刻化する若年離職」だ。同記事では、就職して間もない20代の若者たちと、彼らを迎え入れた企業人事部の対比構造が描かれている。

そのうち、企業人事部の担当者が当時の若者たちを描写するコメントを抽出してみよう。

「(今の)若者たちは、“自分らしさ”を大事にしている。組織の論理で動く会社という場所に、失望するのもわからなくはない」
「採用するにはコストがかかる。育てる費用はもっとかかる。一人前になるまで、少なくとも3年は給料泥棒のようなもの」

「給料泥棒」とは何とも昔らしい強い表現だ。しかしながら、言っていること自体は今の人事部とあまり変わらないように感じる。「今の若者は自分らしさが大事」「採用コスト、育成コストがかかる」といったコメントなどは、むしろ令和じゃないかとすら思える。

ということは、彼らが直面していた若者たちも、やはり令和の今と変わらない、安定志向重視の横並び軍団ということだろうか。仕事に対するモチベーションは最低限で、プライベートを重視した働き方を「自分らしさ」と表現する。当時からそんな若者たちが多かったのだろうか。

――と思ったら、大間違いだった……。