彼らにとっての「成長」とは、次の通りだ。

・「一生一社の時代は終わった」と言われる中で、社会の荒波に呑み込まれることなく、個として生きる強さをつちかうこと。
・同世代が溢れる「若者余り」の時代の中で、自らが望む生き方を見つけ、それを実現する力を持つこと。
・自分を「会社の型」にはめ込み、「マニュアル通りやれ」と叱る会社や上司を否定し、自分はそれ以上の成果が出せるということを証明すること。

特集記事からは、そんな当時の若者たちの想いが伝わってくる。しかし時代は、まだ力強さがあった90年代後半から、日本経済の減速が顕著になる2000年代へ移行していく。

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そしてその変化をなぞるように、若者たちの行動意欲も抜け落ちていったのだ。

金間 大介(かなま・だいすけ)
金沢大学融合研究域融合科学系教授、北海道医療大学客員教授
北海道生まれ。横浜国立大学大学院物理情報工学専攻(博士〈工学〉)、バージニア工科大学大学院、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、文部科学省科学技術・学術政策研究所、北海道情報大学准教授、東京農業大学准教授等を経て、2021年より現職。専門はイノベーション論、マーケティング論、モチベーション論等。若手人材や価値づくり人材の育成研究に精力を注ぐ。大手企業の他、医療機関や社会福祉法人との連携も多数。主な著書に『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』(東洋経済新報社)、『静かに退職する若者たち』(PHP研究所)、『ライバルはいるか?』(ダイヤモンド社)、『無敵化する若者たち』(東洋経済新報社)など。一般社団法人WE AT(ウィーアット)副代表理事、日本知財学会理事。
酒井 崇匡(さかい・たかまさ)
博報堂生活総合研究所 主席研究員
2005年、博報堂入社。マーケティングプランナーを経て、2012年より現職。ビッグデータを活用した生活者研究の新領域「デジノグラフィ」を開拓。長期時系列調査や定性調査などあらゆる生活者データを駆使した発見と洞察を行う。著書に『Z家族 データが示す「若者と親」の近すぎる関係』(光文社新書)、『デジノグラフィ インサイト発見のためのビッグデータ分析』(宣伝会議)、『自分のデータは自分で使う マイビッグデータの衝撃』(星海社新書)がある。
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