仕事に対する熱意を表現し、実際に行動
そこで次に、同記事で登場する若者たちにフォーカスしよう。記事は、複数の若者たちに対するインタビューで構成されている。彼らはみな、しっかりとした“自分”を持っている印象だ。
例えば、総合商社を2年6カ月で辞め、コンサルティング企業に転職した26歳男性は、「商社での2年半は自分探しと思って、(何でも)やりました」と、インタビューに答えている。
あるいは、ITベンチャー企業へ転職した2歳男性は、「(今は)最先端のスキルが欲しい。(なぜなら)自分の夢を実現させたい。いずれは国際機関で仕事をしたい」と言う。
はたまた、食品会社に就職した28歳男性は、「本当は仕事なんかせず、40歳で仕事を辞め、趣味や家族の時間を持ちたい。そのために今は、ベンチャー企業に転職してハードワークしつつ、投資を学びたい」と言う。
ここで、これらのコメントを「前半部」→「後半部」という構成に分けて分析してみよう。そうすると以下のようになる。
・「2年半は自分探し」→(だから)「何でもやる」
・「最先端のスキルが欲しい」→(なぜなら)「夢を実現させたい」
・「本当は仕事したくない。趣味に生きたい」→(そのために)「今はハードワークする」
おわかりだろうか。
前半部のコメント(考え)は、今の多くの若者たちと大差ない。というか、今の若者たちこそ、「自分探し」「スキルが欲しい」「趣味が大事」と言っているではないか。昔と今の若者たちの明確な違いは、後半部(への接続)にある。
「自分を探すために何でもやる」「スキルを得て夢を実現させる」「将来の趣味ライフのために今はハードワーク」……かつての若者たちは、こうして自分たちの仕事に対する熱意を表現し、実際に行動していたのだ。
しかし、今の若者たちの多くはこの「後半部」がないのだ。その部分がすっぽり消滅している。その状態に多くの先輩たちが戸惑っているのが、現在の日本だ。