「8番出口」が、北米で好調だ。

 公開初週末の売り上げは143万ドル。ランキングの8位だが、トップ10に入ったほかの映画がすべて1,200スクリーン以上を持つのに対し、「8番出口」は495スクリーンと極端に少ない。また、唯一の外国語映画でもある。派手な宣伝をしたわけでもない。

 次の週末は49.8%ダウンし、12位に転落した。ただし、ホラー、あるいはゲームの映画化作品では、公開直後にターゲット層が集まり、翌週は大きく落ちることが多く、5割弱というのは決して悪くない。

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「8番出口」日本公開時のポスター 映画『8番出口』公式Xより

米アカデミー賞受賞作「パラサイト」「アノーラ」と同じ配給会社が北米配給を手掛けた

 北米配給を手がけるのは、NEON。2017年に創設された若い会社ながら、2020年には韓国映画「パラサイト 半地下の家族」をオスカー作品賞受賞に導いて歴史を塗り替え、昨年は「ANORA アノーラ」でまたもや作品賞を獲得してみせた。今年の国際長編映画部門の候補作5本のうち4本の北米配給権を持つなど、外国語映画に強い。ホラーも得意分野で、ニコラス・ケイジ主演、オズグッド・パーキンス監督の「ロングレッグス」は、同社の歴史で最高のヒット作だ。ほかにも、やはりパーキンスが監督した「THE MONKEY/ザ・モンキー」、今年日本公開された「TOGETHER トゥギャザー」などを成功させた。

 昨年のカンヌ映画祭で買い付けた際に同社がいくら払ったのかは不明。しかし、このマッチングは最も理想的だったと言える。NEONのテイストの良さはアメリカの映画ファンの間で認識されているし、アワード戦線での健闘が証明したように、マーケティングもうまい。

 ただし、実際に見た人から高い評価を得たのは、作品の力。公開初週末に一般観客の感想を聞くシネマスコア社がこの映画の調査をしていないのは残念ながら、レビューサイト「RottenTomatoes」では、批評家の92%、一般観客の87%が好意的だ。ただし、それはつまり褒めている人が9割前後いるということで、残りの1割前後の中には5つ星満点中の星1つなど、酷評もある。そこもまたこのジャンルでは普通のことだ。

 この成功の背後には、北米の観客の意識の変化がある。