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国内でメガヒットした「国宝」より「8番出口」がウケた理由
ここで興味深いのは、「国宝」が北米では今日までにわずか110万ドルしか売り上げていないという事実。これは、「8番出口」の初週末の成績にも満たない。
もちろん、この2本は、作品のタイプも、観客層も、まるで違う。だから、戦略も違う。歌舞伎の世界を描く時代ものだけに、シリアスで質の高い大人の映画を好む人たちをターゲットにするべきで、オスカーだけでなく、前哨戦のアワードで名前が挙がることが、最高の宣伝となったはずだ。
「国宝」は、メイクアップ&ヘアスタイリング部門でオスカーに候補入りした。しかし、それより前、アワードシーズンの初期からあちこちに候補入りしてずっとタイトルが聞こえてきていたなら、ボックスオフィスの助けになったかもしれない。そういったアワードキャンペーンはまさにNEONが得意とするところだ(前述したように、彼らは今年のオスカー国際長編部門候補作5本のうち4本を占めるという快挙を成し遂げた)。今後、オスカーで闘えるような日本の自信作を海外に出していく場合、彼らをはじめ、他社のプッシュを見習うべきだろう。
いずれにせよ、日本映画にとっても、海外の観客にリーチするための門戸は、今、昔よりずっと開いた。フィルムメーカーにとっては、またとないチャンスだ。次にアメリカで話題になるのは、果たしてどの作品になるのか。
