1993年のプロ化から、ちょうど四半世紀。Jリーグがいよいよ「門戸開放」へ舵を切ろうとしている。
外国籍選手枠の撤廃だ。
Jリーグをオープンな市場にして、競争力をあおり、より良い「商品」を提供していこう――というわけだ。すでに各クラブの代表者が集まる実行委員会や強化担当者会議などで本格的な議論が始まっている。
イングランドではスタメンに自国選手が1人もいないことも……
目下、サッカー界の最高峰はヨーロッパにある。外国籍選手枠の撤廃や大胆な規制緩和を試みたことで、世界中から人、金、モノが集まり、空前の巨大マーケットへ変貌を遂げることになった。
いまや多士済々のスター選手を取りそろえる「世界選抜」がトップクラブのお約束だ。例えば、レアル・マドリーとバルセロナというスペインの2大クラブもたいてい、スタメンの過半数は外国籍選手である。
イングランドのメガクラブではスタメンに自国の選手が1人もいない――なんてケースもあるくらいだ。金満クラブのチェルシーが好例だろう。また、名門アーセナルはかつて「フランス人だらけ」のチームを編成して、物議を醸したこともある。もう何でもアリ。そんな世界が広がっているわけだ。
開幕当初、Jリーグの外国人枠は3人だった
では、Jリーグはどうか。
実のところ、プロ化当時はかなりの大物が何人もピッチで躍動していた。ジーコ(ブラジル)やストイコビッチ(セルビア)といったワールドクラスの名手たちだ。
それこそ「黒船襲来」の趣だった。しかしながら、ピッチに立てる外国籍選手は3人まで。門戸解放にはほど遠かった。
理論上は“日本人ゼロ”でも試合ができるJリーグ
現在、外国籍選手の登録人数は4人。うち1人はAFC(アジア・サッカー連盟)枠だから、ヨーロッパや南米国籍の選手を保有できるのは依然として3人までだ。
ただし、Jリーグ提携国の選手については外国籍選手にカウントしない。該当するのはタイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、マレーシア、カタールの計8カ国だ。
極端に言えば、日本の選手を使わず、5人のタイ国籍選手、3人のベトナム国籍選手、2人のミャンマー国籍の選手、1人のカタール国籍の選手で、スタメンを固めてもいい。すでに規制緩和を始めているわけだ。