「真似しやすい」から「SNSでバズりやすい」
KAWAII LAB.の楽曲に共通しているのは、入口の広さだ。サビのフレーズが耳に残り、振付を真似しやすく、グループの色もひと目で伝わる。聴いた瞬間に楽曲の温度がわかり、SNSでも広がりやすい。海外のリスナーにとって、歌詞の細かなニュアンスをすべて理解することは簡単ではない。だが、サビでの表情、手の動き、衣装の色、メンバーの明るいリアクションは、言葉より先に届く。むしろ韓国語で歌われたことで、現地の視聴者にとっては、より自分たちに向けられた曲として受け止めやすくなったのだろう。
筆者はこれまで、CUTIE STREETを取材し、ライブやインタビューを通して彼女たちの歩みを見てきた。そこで印象に残っているのは、彼女たちの“かわいい”が、決められたコンセプトをそのまま演じるだけで生まれているわけではないことだ。
CUTIE STREETには、モデルや女優、アイドル経験者、オーディション番組を経験したメンバーなど、さまざまな背景を持つメンバーが集まっている。表情の作り方、ステージでの見せ方、言葉の選び方にも、それぞれの個性がある。全員で同じ方向を向きながら、それぞれの色もちゃんと見える。そのにぎやかさが、CUTIE STREETの“かわいい”に奥行きを与えている。
もちろん、その親しみやすさは感覚だけで生まれているものではない。表情の切り替え、サビ前後の視線の置き方、振付の見せ場、メンバー同士の距離感、衣装のシルエット。そうした細部が、“かわいい”を最大限に伝えるために組み立てられている。どのフレーズが耳に残るのか、どの動きが真似されるのか、どの表情がSNSで共有されるのか。そこまで含めて作られているからこそ、彼女たちのパフォーマンスは映像でも強いし、ショート動画にも向いている。
韓国での広がりは、CUTIE STREETがもともと持っていたSNSでの強さが、韓国語版と『M COUNTDOWN』出演によって一気に表に出た結果とも言える。もともと「かわいいだけじゃだめですか?」は、短い動画でも魅力が伝わりやすい楽曲だ。そこに韓国語版としての届け方と、現地の音楽番組への出演が重なったことで、韓国の視聴者にも届きやすくなった。それでも彼女たちは、K-POP風に自分たちを作り替えたわけではない。韓国語で歌うことで現地のリスナーに近づきながら、CUTIE STREETらしい“かわいい”はそのまま届ける。そのバランスが、「日本のアイドルらしさ」として新鮮に映ったのだろう。