家族全員で行く「年に一度のイベント」に進化
「最初から見ていた観客が15年、20年と経つ中で大人になっていた。にもかかわらず映画の作りはやや低年齢層寄りのままで、そこに少しずれが生まれていた」(※2)
この認識のもと、プロデューサー陣の世代交代を断行し、「一年に一度、スクリーンで体験するお祭り」という劇場版の位置づけへと方針を転換した。脚本・演出を大人向けに改め、ハリウッド大作を思わせる豪快なアクション・音響・映像の迫力を前面に打ち出していった結果、シリーズの人気は再び大きく跳ね上がった。
竹崎氏はさらに、『コナン』が支持を集め続ける理由として、新一と蘭の関係を軸とするラブコメ的な魅力も大きいと分析する。「この二人の関係が最後どうなるのか見届けたいという思いが、長期的な支持につながっている」(※2)
加えて、長く続くシリーズであるがゆえに、『コナン』は親子で楽しむ2世代コンテンツへと進化している。筆者が現在公開中の『ハイウェイの堕天使』を観に行った際、お揃いのコナンTシャツを着た4人家族がポスターの前で仲良く記念撮影をしている光景を見かけた。20代・30代の女性層を中心としつつ、いまや『コナン』は広範な世代にアピールできるコンテンツとして支持を広げている。
またここ数年は、原作ストーリーとの関わりも一段と深くなってきた。『ハロウィンの花嫁』『黒鉄の魚影(サブマリン)』『100万ドルの五稜星(みちしるべ)』あたりは、物語の重要な核心にも迫る内容となっており、IP展開の深化を感じさせる。キャラクターの人気頼みに終わらせまいとする工夫が見られる。