死んだように4年間を過ごす

――ショックの大きいことが続きますね。

ぺこりーの 人生で一番つらい期間でした。ただ、嫁の葬式を執り行なう必要はあったので、なんとか気力を振り絞りました。嫁は本当に友達が多かったんです。飲み仲間や犬の散歩仲間やママ友……。葬式には何十人どころではない人たちが見送りに来てくれました。

 明るい性格の嫁に合った葬式をしようと思っていたんですよ。斎場では嫁のスマホに入っていたRIP SLYMEや安室奈美恵の曲をずっとかけていましたね。食事をする場所で酒を飲みながらどんちゃん騒ぎしていました。

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――式を終えた後はいかがでしたか。

ぺこりーの やっぱり気を張っていたんでしょうね。次の日は身体が硬直してまったく動けなかったです。ずっと家で寝ていました。その辺りから記憶が飛んでいるので「どうやって生きていたんだろうなあ」と思います。

――しばらく仕事は休んだんですか。

ぺこりーの もともとSNS関係の会社の担当役員を務めていましたが、1年経った頃に退職しました。任期満了での退任だったのか、途中で辞めたのかは覚えていません。

 この頃にらんまるくんというワンコも嫁の後を追うように亡くなったんですよ。まだ、10歳でした。もう1匹ゆいまるくんというワンコがいるんですけど、この子がいなかったら耐えられなかった気がします。

愛犬のゆいまるくん

――仕事を辞めた後はどのような生活を送っていたんですか。

ぺこりーの 会社を辞めた後にWebや事業開発関係のコンサルの仕事の声をかけていただいたんです。沖縄や宮城など全国を飛び回るようになり、全国にいる仕事仲間と飲み歩いたりもして。忙しいおかげで気が紛れました。もし何もやっていなければ、嫁の後を追っていたかもしれません。

――仕事に打ち込んでいたんですね。

ぺこりーの 人間は生きることに興味がなくなると死んでしまうような気がするんですよね。でも、クライアントがいると「必要としてくれている」と思えるんです。それに新規事業に関わると嫌でも気持ちが前向きになるんですよね。新しいことを考えるとワクワクしてきますから。

――この頃から少しずつ立ち直っていったのでしょうか。

ぺこりーの それでも立ち直れなくて。嫁が亡くなってからの4年間は死んだような生活を送ってきました。

 ただ、立ち直るきっかけを与えてくれた恩人がいます。その方は旦那さんをガンで亡くした方で、京都で一緒に飲むことがあったんですよ。その時に「いつまでも泣いてるのはあなただけよ。奥様はもう病気の苦痛から解放されて天国で笑っているわ」と言われて。その言葉がものすごく刺さったんです。「ずっと悲しんでいるけど、嫁さんは天国で笑っているんだよな」と思えました。

 気持ちがスッと楽になって「誰かの言葉でこうやって救われるんだなぁ」と思いましたね。それから頭に血が通ってきて、嫁との思い出を振り返るブログを始めたんです。パートナーを亡くして自分みたいにもがいている人はたくさんいるはず。「そういう境遇の人の役に立てばいいな」と考えました。

妻が亡くなってからは近所のスナック『スナック一樹ノ蔭』でよく飲むようになったと言う 写真=山元茂樹 /文藝春秋

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