おそるおそるグループを作った
村木 まず最初に、日弁連や一般有識者の委員にお願いしたのは、誰かが自分と同じ意見を発言した時、必ず手を挙げて一言「○○さんに賛成です。私も同じ意見です」と言ってください、ということでした。普通、自分と同じ意見を他の人が言うと、「○○さんが言ってくれてよかった」とほっとして、それで終わってしまいますよね。
でも、それではだめなんです。議事録上はたった1人の意見ということになり、少数意見として簡単に切り捨てられてしまいますから。同じことを考えている人が何人もいることを示して、「これは無視できない意見だ」と見せることが必要なんです。
あと、発言の機会がそれほどない会議ですし、「ここは絶対守りたい」という点を書き出して書面にすることにしました。何人もが同じ意見を持っているのが一番見えやすいのは紙にまとめることだと思ったので。案文を書いた紙を持って4人の一般有識者1人ひとりに「これでどう?」「意見一致できる?」と聞いて回り、文言を調整しました。
最初は恐る恐るでした。連合の代表とか経団連から出ているとか、みなさん責任ある立場で参加しているわけですし。(映画監督の)周防正行さんには、「妥協をよしとしない」と断られるかもしれないと思っていましたが、加わってくれました。私はその時、すごく責任を感じましたね。
――この動きがなければ、全過程の録音録画はできなかったかもしれない。
村木 そうですね。役人の経験が生きる場面なんてめったにないのですが、それが生きたのはよかったです。実際に録音録画をやってみれば、弊害なんてないというのが、捜査の現場の人にも分かってもらえるでしょうし。
