「一番正しいと思った」「そこに正義がある」日本画を専攻した経緯
――その中で日本画を専攻したのはどうしてですか。
由女 これを言うとガンぎまりの人みたいですけど、日本画をやるのが一番正しいと思ったというか、そこに正義があると思ったんです。
――「正義」ですか。
由女 私は、一番きれいにデッサンができるのが日本画家だと思っていて。
各々、いや彫刻だ、洋画だ、とかって言う人はいると思うんですけど、ものの形とか陰影をきれいに取ったり、理論的に絵を作っていけるのが日本画なんです。
日本人だから日本画をやるべきだろ、みたいな思いもありますし、ガチで先生になろうと思ってたんで、人にものを教える立場になるなら日本画が最適だと今でも思ってます。
実際、美術予備校の先生も日本画出身の方が多かったですね。
意識が高かったゆえになれなかった教師
――日本画を描く人は基礎的な画力が高いということですか。
由女 彫刻は彫刻を作るために必要なデッサンを描きますし、建築は建築を作るために必要なデッサンを描く。でも日本画は、“絵のための絵”みたいな感じなんで、単純に絵がうまいんです。
油絵もありますけど、今そっちはコンセプトアートみたいな世界観になってきてるんで、きれいに絵を描くという時代を脱してて。どっちかというと着眼点であったり、自分の感性で表現やデザインをしていくのが評価される世界なんで、そのもののあり方を形取るという世界ではないんです。
で、私は先生になるんだったら日本画だというのがあったし、日本人だったら日本画をやりたい、という気持ちでしたね。
――そこまで熱い気持ちがあった中で、教師とは別の道に進んだのはなぜですか?
由女 本当に学校の先生になるつもりで入ったんですけど、あまりにも意識が高かったがゆえに、大学2年生のときにバーンアウトしちゃったんです。
撮影=志水隆/文藝春秋
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