「ドンキ」がイオンにとって強力なライバルである理由
近年、積極的に大型物件の居抜き出店を実現してきた数少ない存在が、ディスカウントストア最大手のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)である。PPIHは総合スーパーの大手、長崎屋、ユニーを傘下に入れ、見事に再生したことは皆さまもご存じの通りであろう。
ざっくり言えばPPIHは、総合スーパーの不振の元凶である2階以上=非食品フロアをドン・キホーテ(ドンキ)に転換して活性化してきた。そして、上層階に呼び込んだ顧客を1階の食品フロアにも降ろすことで、食品売場も活性化してしまう。
結果としてドンキの売上も増えるし、1階も来店客が増える。こうして、かつて総合スーパーだった商業施設は見事に賑わいも採算ラインも回復する――という必殺技を持っており、実際これで多くの物件が今でも「ドンキの店」として存続している。
この技でPPIHは多くの総合スーパー跡地を自社物件として獲得してきたのだが、このやり方は一段落してしまった。なぜかと言えば、再生すべき総合スーパー物件が西友の買収、イトーヨーカドーの大規模リストラによって、当面のタマがほぼなくなったからだ。そして、最後のまとまった売り物件が、PPIHが買収したオリンピックだった、ということになる。
総合スーパータイプの大型店とより小型の食品スーパーを混成した構成のオリンピックは、大型店をドンキ転換による従来型で、食品スーパーは新業態ロビン・フッドに転換することで再生を図る、とされている。と聞くと、「そうなんだ」、と聞き流してしまいそうになるが、実はこのプロジェクトは業界再編の歴史において大きな転換点となるかもしれない注目の案件なのだ。
