国内コンビニ市場のトップ3といえば「セブン-イレブン」(約2.1万店)と「ファミリーマート」(約1.6万店)、「ローソン」(約1.4万店)の3チェーンだが、昨今この市場に「マイクロスーパー」(小型スーパー)とも呼ぶべきチェーンの「まいばすけっと」「トライアルGO」が、殴り込みをかけている。
マイクロスーパーとは、コンビニとほぼ同等の広さに、野菜や肉・魚などの生鮮食品、さらにコンビニより安めの弁当・総菜などをずらりと並べている業態。つまり「見かけはコンビニ、中身はスーパー」なのである。代表格は首都圏に手広く店舗を展開しているイオングループの「まいばすけっと」だが、11月7日にはトライアルホールディングスが「トライアルGO」の都内初出店を果たして話題を呼んだ。
イオンもトライアルも、これまで相応に巨大な店舗を展開してきたが、昨今は店舗が飽和して、特に都内ではそのような立地や物件は残っていない。なら、コンビニと同様の物件を確保して、大型スーパーに近いプライスで商品を販売すれば、顧客はマイクロスーパーを選ぶだろう――と考えたわけだ。
両者とも意欲的な目標を掲げる
その狙いは当たり、まいばすけっとは、直近の5年で4割も店舗数を増加させ、約1200店を擁するまでに成長している。さらに「2030年までに店舗倍増(2500店)、将来的には首都圏5000店」という目標を掲げる。
一方のトライアルGOは、親会社のトライアルホールディングス2024年に「今後10年で店舗数は1万店、売上高で3兆円を目指す」と発表しており、7月に買収したばかりの西友店舗・物流を活用すれば可能性はゼロではないはず。それほどまでに期待できる市場ということだ。
まいばすけっとに関しては「どの店も同じ品揃えばかり」「高付加価値の商品がなく、ひたすらお手頃商品を買うだけ」という声もあり、店舗の味気なさは「都民への罰」とさえ呼ばれて話題を呼んだ。
ただ、双方ともしっかりと顧客を掴んでいることは確かで、計画通りに出店が進めば、コンビニ各チェーンにとってこの上ない脅威となるだろう。まいばすけっと、トライアルGOの実店舗へ足を運び、それぞれの特徴や今後の展望について分析していく。

