新業態「ロビン・フッド」安売りだけではない、大注目すべきポイントとは?
前述の通り、PPIHは総合スーパーの再生ノウハウは持っていたが、食品スーパーに関してはそもそも非食品売場がないため、前述の「必殺技」が使えず、M&Aの対象とはしてこなかった。
そんな中、傘下に収めたユニーに「ピアゴ」という食品スーパー業態があったことは大きい。PPIHはこのピアゴの活性化策を研究し続けて、ついに開発したのがロビン・フッドだと言ってもいいだろう。食品6割、非食品4割の売上構成とし、食品は利幅を薄くまさに「驚安」で訴求して集客、ドンキ商材で構成した非食品をついで買いしてもらうことで収益を確保する――というのが、新業態の目指す姿であるという。
これが成功すればPPIHは、M&Aの対象先を、全国で多様に生き残ってきた食品スーパーに拡張することができるのだ。それは、これから急速に寡占化が進むスーパーの再編に、ドンキが名乗りを上げるということでもある。新興ながら2兆円規模の小売業にまで成り上がってきたドンキが、正面から業界再編に乗り出し、流通大手イオンと覇権を争うことを宣言しているわけだ。
自ら「魔境」と称する宝探しじみたエンタメ空間を生み出すことで独自の店づくりをしてきたPPIHは、基本的に消費者が「生活必需品を短時間で補充する」という目的で訪問するスーパー業界とは、これまでキレイに棲み分けをしてきた、と考えられている。よりタイパ重視が強まる生活の中で、ドンキの宝探しエンタメ売場は、余計な時間がかかるのであり、忙しい人の多くは日々の消耗品を補充するためにドンキを使ってはこなかった。
しかし、PPIHが日々の生活必需品の買物に対応した業態であるロビン・フッドを成功させれば、もう棲み分けは出来ない。
