ビー・ガンら著名映画人の後押し

――本作のプロデューサーは、ビー・ガン(毕赣)監督とも組んできたシャン・ズオロン(单佐龍)さんです。お二人との出会いを教えてください。

ジン 『ボタニスト』の脚本をピッチング(資金調達のためのプレゼンテーションの場)に持ち込んだことがきっかけです。そこで出会った(『薬の神じゃない!』等のヒットメーカー)ウェン・ムーイェ(文牧野)監督が私の脚本を読み、ビー・ガン監督に推薦してくれました。ビー監督がさらにその脚本をシャン・ズオロンさんに渡したことが出会いです。彼らは皆、それぞれのやり方で、この映画の企画を支援したいと申し出てくれました。

『ボタニスト 植物を愛する少年』

――『ボタニスト』には、映像美が特徴的なビー・ガン作品に通じる視覚的こだわりを感じます。影響を受けたことがあれば教えてください。

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ジン ビー監督とシャンさんは『凱里ブルース』(2015年)の頃から一緒に仕事をされています。ビー監督は、自分の故郷や記憶、時間と空間に対して非常に鋭い感覚を持っていて、中国の多くの映像作家に影響を与えている映画監督です。シャンさんについては、私の脚本や以前撮った短編映画の中から、空間や生まれ育った土地に対する私の独特のとらえ方を見出してくれたからこそ、こうしてつながることができたのだと思っています。

――主人公の兄は、北京で働いていましたが、つらい経験をして故郷に逃げ帰り、それでもなお都会の暮らしに後ろ髪を引かれているという設定です。監督も新疆から都会に出て、映画を撮っていらっしゃいます。兄のキャラクターにご自身を投影した部分はありますか?

『ボタニスト 植物を愛する少年』

ジン 確かに、主人公の兄と私はよく似た経験をしていると思います。地方の村から大都市に出てきた私たち世代の若者は、都会への憧れを抱きながらも、想像していた以上に厳しい暮らしに直面しているのです。都会に根を張り、自分の居場所を見つけることは本当に難しい。かといって簡単に帰ることもできず、故郷と都会の間をさまよい続ける。これは今の中国で、地方出身者の多くが経験していることだと思います。