見るに見かねた自民党関係者が、高市の実弟にして秘書の知嗣に「メールはともかく、電話がまったくつながらない」と苦言を呈したところ、知嗣は「私もほとんど電話に出てもらえないんです」と苦笑する始末だった。
周囲に相談せず「独断専行」に走る高市に対して、党内に苛立ちが立ちこめている。その空気はさすがに高市自身も感じている。だが、分かってはいるが、党内や国会で調整の実務を担った経験がほとんどなく、すぐには態度を改められない。だからこそ、永田町ではこんな噂が飛び交っている。
「秋に予定されている内閣改造が前倒しされるようだ。7月に国会が終了したら、着手するらしい」
人事こそ権力の源泉だ。ポストをちらつかせれば、周囲は黙る。
周囲は木原の心労を懸念
首相が対面で言葉を交わす数少ない相手が、官房長官の木原稔だ。ただし、具体的な指示はメモで手渡される。それに従って、木原は各省庁への指示や党側との調整に奔走する。国会対応を高市に丸投げされながら、毎晩、番記者たちのオフレコ取材にも応じ、仕事をこなす。さすがに疲労の色は隠せず、官邸内では「総理の体調も心配だが、官房長官のほうが先に倒れるのではないか」(官邸関係者)と囁かれている。
高市は直接の対話を好まないが、ネット空間では能弁である。2026年度予算が参院で審議中だった4月5日には、高市が参院予算委員会の集中審議への出席に消極的だとする報道に対し「X」で反論した。
「私が参議院予算委員会の集中審議に応じない意向を示していたとの報道は、全く事実ではありません」
続けて、国会の求めがあれば出席すると答弁していることに触れて、「参議院自民党幹部にも伝えていました」と、なかば責任は参院幹部にあると言わんばかり。
※この続きでは、消費税減税の議論について触れています。約4600字の「赤坂太郎」全文は、「文藝春秋」2026年6月号および、月刊文藝春秋の電子版「文藝春秋PLUS」に掲載されています。
