テレビ朝日「グッド!モーニング」でお天気キャスターを務める気象予報士の舩橋沙貴さん(28)は昨年6月、インスタグラムで両耳に感音性難聴を抱えていることを明かした。難聴だとわかったのは幼稚園の頃。そこから20年以上、補聴器とともに歩んできた。

 大学卒業後は北海道の公立中学校で理科の教師として働いていた彼女は、なぜお天気キャスターという異色の“転職”をすることになったのか。初めてメディアに語ってくれた。(全3回の2回目/3回目に続く)

舩橋沙貴さん ©深野未季/文藝春秋

◆◆◆

ADVERTISEMENT

「マスク越しの声が聞き取れない」教師になってからの苦労

――イギリス留学で自信をつけた舩橋さんは大学を卒業して、中学校の理科の先生になりますね。どのあたりの学校だったのですか。

舩橋沙貴さん(以下、舩橋) 札幌市内の公立中学校です。1年生の担任とソフトテニス部の顧問を1年目からやっていました。

――教師をやっている中で、耳のことで苦労したことはありますか。

舩橋 先生になった当時はコロナ禍でみんなマスクだったんです。私は子音が聞き取りにくいので、相手の口の動きを見て言葉を推測しているんですが、マスクだとそれが難しくて。

 しかもマスク越しの声は私にとっては聞き取りにくいというレベルを超えて、もやもやした音を聞き取れたらいいというくらいなんです。口元が見えないから、誰が話しているのかもわからなくなります。

 理科の授業は生徒がポロッと言ったひと言から展開していくことが多いんですが、生徒たちはみんなが大きい声で発言できる子たちばかりではありません。

 なので、生徒には「私は難聴で、うまく聞き取れない状況もある。でも、みんなの声をできるだけ聞きたいし、たくさん会話したいと思っている。だから、助けてくれたら嬉しい」と最初に伝えてました。

 本当にいい生徒たちに恵まれて、生徒の発言した声を私が聞き取れないと「先生、〇〇さんが△△って言ってるよ」と別の子が自然に教えてくれるようになりました。

両耳に補聴器をつけて生活している

――授業以外で大変だったことはありますか。

舩橋 休み時間などでも、生徒の声が一回では正確に聞き取れないことが多くて。生徒同士の雑談などちょっとした会話がもっと聞こえてたら、もう少しうまく関係性を見てあげられたのになとは思います。

 あと職員会議は大変でした。職員室って広いし、横に長いんですよ。しかも先生も多いので、遠い席の先生がお話ししたら何を言っているか聞き取りづらくはありました。