――お天気キャスターに決まったと最初に聞いた時、どんな気持ちでしたか。
舩橋 びっくりしました。「本当に?」って。このまま制作の仕事で天気の知識を深めていくのもいいかなと思っていましたし、信じられない気持ちのほうが大きかったです。でもすぐに感謝の気持ちがすごくわいてきました。
難聴だからこそお天気キャスターになりたいという気持ちを伝え、そこも認めた上で採用してくださったので。本当にありがたかったです。
「右耳の補聴器が電池切れ状態で本番」生放送前に起きた“トラブル”
――最初の放送のときのことは覚えていますか。
舩橋 すごく緊張しました。一発勝負ですし、これが全国放送に流れるんだと思って。リハーサルはできても、生放送の練習はできないですし。みんな固唾を呑んで見守ってくれたんですが、ありがたいことに1回目がすごく無事に終わって。皆さんのおかげです。
――お天気キャスターの仕事は生放送ですが、本番直前に補聴器の電池が切れてしまったこともあったそうですね。
舩橋 そうなんです。補聴器のメーカーにもよるんですが、私が使っているものは電池の寿命が1週間ぐらいなんです。しかも電池切れを知らせるアラームも、切れる1分前くらいにしか鳴らなくて。
本番まであと1分もない状態でアラームが鳴って、右耳の補聴器の電池が切れた状態で本番をやったことがあります。油断していました。幸いもともと聴こえづらい右耳だったので、何とかなりましたけれど。
でも、やはり右耳からの音がないと、左耳で聞く自分の声の聞こえ方が変わってしまって、声のコントロールがいつもよりうまくできませんでした。
そこからはスタジオに持ち込むポーチに電池をいっぱい入れるようにしてますし、オンエアの日に合わせて電池が切れる前でも交換するようにしています。
補聴器の電池が切れると耳栓をしているような聴こえ方になるので、聴こえないだけでなく、自分の出している声の大きさや抑揚などがわかりにくくなってしまうんです。
声量、ハリ、アクセントを人に聞いてもらいながら試行錯誤
――キャスターとしての仕事で周囲に助けてもらっていることはありますか。
舩橋 オンエア前のリハーサルでは、「今日、私ちゃんと声出てますか?」と必ず聞くようにして、声量やハリ、アクセントを確認しています。特に声の高さは自分の耳では正確に把握するのが難しく、出したい声のトーンからずれてしまうこともあるので、自分の声を聞いてもらうようにしています。
――お天気キャスターはイントネーションなども気をつけなければいけないので、そのあたりも難しそうですね。
舩橋 もともと耳が聞こえづらいのもあって、いまだに本番に向かう際に「イントネーションやアクセントが変だったら教えてくださいね」とお願いしてから行ってます。
後から聞いてみて自分では変だと分からないこともあるので、いろんな人に私の耳の代わりに聞いてもらったりもしています。どうやったら聞きやすい発声になるのかはまだまだ試行錯誤しています。

