5月15日、作家・佐藤愛子さんが4月29日、老衰により死去したことが公表された。
佐藤さんは1923年11月5日、作家・佐藤紅緑さんと女優・三笠万里子さんの次女として大阪府に生まれた。1969年の『戦いすんで日が暮れて』(講談社)で直木賞、2000年『血脈』(文藝春秋)で菊池寛賞を受賞するなど作家として活躍。90歳を過ぎて刊行した『九十歳。何がめでたい』(小学館)はベストセラーとなり、映画化された。
佐藤さんの最後の著書となったのは、今年4月に刊行された『ぼけていく私』(文藝春秋)。娘の杉山響子さん、孫の杉山桃子さんと3代による共著だ。響子さんと桃子さんは、小学館を通じて、次のようにコメントを発表した。
〈我儘放題、天衣無縫に生き抜いた102年でした。
最後まで多くの方に声援を頂いた102年でした。
こんな幸せな人生はないと思います。
「本当にありがたいねえ」
本人の最後の言葉です。心より感謝申し上げます。〉
佐藤さんが死去する直前、響子さんは雑誌「文藝春秋」6月号(5月9日発売)で桃子さんと対談し、佐藤さんの考える理想の死に方を明かしていた。
〈響子 理想の死に方が母にはありました。佐藤紅緑に師事した詩人の福士幸次郎さんの死に方です。見守る人をちゃんと認識して、「ありがとう」と言いながら、静かに別れていく〉
まさに、その言葉通りの大往生だった。
現在、発売中の月刊「文藝春秋」6月号および、月刊文藝春秋の電子版「文藝春秋PLUS」では、「佐藤愛子 娘・孫 対談 『ぼけていく私』の食い意地」と題した記事で、響子さんと桃子さんが、愛子さんについて娘や孫だから話せる父・紅緑への憧れ、食への執念など、忖度なしの「佐藤愛子論」を展開している。


