“りくりゅう”ペアが金メダルを獲得したミラノ・コルティナ冬季五輪の舞台裏で、何が起きていたのか。スポーツライターの野口美惠氏が、関係者の証言をもとに“りくりゅう”ペアの秘話を深堀りした。
◆◆◆
「2人はお互いを補い合える」
結成からわずか3か月後のNHK杯で5位。22年の北京五輪では、結成3年目で団体戦の銀メダルに貢献し、個人戦でも7位と、日本ペアの最高位を更新した。さらに五輪の翌年の世界選手権では金メダルを獲得するまでに成長していった。
「2人はお互いを補い合える、完璧な組み合わせでした。ペアの歴史を見ると、女性が輝き、男性が岩のように堅実であることが重要です。龍一はプロ意識が高く、時計のように狂いなく完璧に物事をこなし、璃来は恐れを知らない強さがあり、氷の上で太陽のように輝く。過去に頂点を極めたペアが持っている法則が、ピタリと当てはまっていました。北京五輪の団体戦でメダルがかかる大舞台を経験し、トップのメンタルコントロールを経験したことも大きい。大舞台で重要なのは、自分たちだけに集中し、本番は楽しみ、すべての機会に感謝すること。そして順位よりも自己ベストを目標にするメンタルで、安定した成績を出し、地位を確立していったのです」(コーチのブルーノ・マルコット)
一方、(日本スケート連盟フィギュア強化部長の)竹内が「本当に嬉しかった」と振り返る北京の団体戦メダルは、次の五輪に向けた強化戦略に大きな影響を与えた。

