「ミラノ・コルティナ五輪では、団体と個人戦の二つでメダルを狙いに行ける。強化部としては、疲労回復やピーキングを、どうやってサポートするかが重要だと考えました」

ソルトレークシティ五輪の「苦い経験」

 五輪で選手が必要とするものは何か――。竹内には苦い経験がある。選手として02年のソルトレークシティ五輪に出場した時のことだ。

「初めての環境、初めての空気感、すべてがいつもと違う。とにかく試合に集中できなかった、悔しい思い出です。僕たち強化部の仕事は、試合当日から逆算して、いかに選手がストレスなくコンディションを高め、試合を迎えられるかを考えて環境を整えること。それに尽きます」

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左から鍵山優真、中井亜美、木原龍一、坂本花織、三浦璃来の各選手 ©JMPA

 手始めは日本独自の練習場所の確保だった。五輪期間中は、メインリンクの隣にあるサブリンクで1日1時間弱の練習が割り当てられるが、時間が短いうえ、他国やメディアに公開され緊張感が抜けない。竹内は22年の12月にはイタリアとの交渉を始めた。そして24年2月に契約に漕ぎつけたのが、ミラノから車で1時間の好立地にあるバレーゼのリンクだった。同様に期間中、独自にリンクを借り切ったのは、アメリカと開催国のイタリアのみ。団体戦で表彰台に上った3か国だった。

 24年夏にはバレーゼで強化合宿を行った。現地シミュレーションが最大の目的だった。

※“りくりゅう”ペアが持つ最高のパフォーマンスを引き出すために、舞台裏では何が動いていたのか?この続きで詳しく語られています

 約9200字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年6月号に掲載されています(野口美惠「りくりゅう『奇跡の金』の軌跡」)。

出典元

文藝春秋

【文藝春秋 目次】高市早苗研究 総理の夫 初告白20時間/〈特集〉「歩く」が人生を変える/りくりゅう秘話

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