〈学園の実態はドワンゴの子会社でしかなく、生徒を営業数字と売上としか見ていない教育機関としてはあるまじき運営です。〉 

〈もっとできたことがあったのではないか、そう思えども担当生徒数がそれを許しません。〉

 急拡大するネットの通信制高校「N高等学校」。今年3月に退職した職員から週刊文春記者に届いたメールには生徒への申し訳なさと、運営元への怒りが綴られていた。そして週刊文春にこう託すのだった。

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〈どうか、私を含め、ドワンゴに使い潰された人間の声を、世間に伝えてください。〉

◇ ◇ ◇

 N高等学校は今年で開校10周年を迎えた通信制高校だ。出版社のKADOKAWAとIT企業のドワンゴが設立した、非営利の学校法人「角川ドワンゴ学園」が運営する。オンライン授業がメインの「ネットの高校」で、開校当初は1500人だった生徒数は今や、N高グループ(通学コースなども含む)全体で3万5000人以上のマンモス校となった。

ニコニコ超会議2024で開催されたN高・S高の文化祭 ©︎時事通信社

「進学実績も右肩上がりに伸び続け、24年度は東大合格者数7名を含む国公立大学に189名が合格。海外大学の合格者数は過去最多の200名を突破しました」(教育業界に詳しい記者)

 KADOKAWAといえば、2026年3月期の通期連結決算で営業利益が前期比51.3%減の81億円に落ち込んだと発表。筆頭株主である香港のファンド、オアシス・マネジメントは、夏野剛CEOの解任を求めている。経済誌記者が解説する。

「ただ、セグメント別の業績をみると、明るいニュースもある。とりわけ、『N高』が牽引する教育事業は、生徒数が堅調に増加し、売上高171億円、営業利益28億円で4期連続の増収増益。教育事業だけで、全体の営業利益(81億円)の約35%を稼いでいます」

 生徒数増加をさらに押し上げたのが、昨年4月に開学したZEN大学だ。こちらもネットの通信制大学で、1学年定員3500人の大規模校。AIを使いこなす人材の育成に注力すると謳う。初年度の入学生のうち、約42%がN高グループからの内部進学生で占められた。

 ところが、である。教育事業が好調の陰で、学園ではある“異変”が起きていた。