本丸そばの隠れ遺構も見逃すべからず
二の丸まで引き返し、本丸へ。来た道を振り返ると、いかにも「天空の城」の光景が広がっていた。北には連なる曲輪群、東には城下町も睥睨できる。
竹田城を訪れるほぼ全員が本丸と天守には足を運んでいるはずだが、ここにも見逃しがちだが必見の遺構がある。本丸へ登る石段がそれだ。
急勾配なだけではなく、途中から脇の石垣が迫り出して、幅が急に狭くなっている。これも守備目的の構造? と思ったが、真相はどうだろう。
いずれにせよ、独特の形状であることは間違いない。
凝りに凝った南尾根の遺構群
天守から南に伸びる尾根に目をやると、北側とはガラッと異なる光景が広がっている。
北側は比較的一辺が長く、方形に近い曲輪が多いのに対し、南側は頂部の角度がバラバラで、複雑な形状の曲輪が多い。櫓台や石積みによる壁も各所に設けられている。まるで迷路のような形状で、城に侵入した攻め手はパニックに陥りそうだ。
ちなみに竹田城の雲海は全景が有名だが、城内からの光景も素晴らしい。天守からのこのアングルだと、まさに「天空に浮かぶ」感覚が味わえる。
雲海は、晩秋の明け方、寒暖差が大きい日に出現しやすいという。
写真提供:(一社)あさごツーリズムビューロー
南側の尾根の先端の曲輪、南千畳までくだり、振り返れば本丸や天守と、それに連なる石垣群が一望できる。城内で石垣を撮るなら、ここがベストなポイントだろう。
竹田城は石垣ばかりが注目されがちだが、そもそもの急峻な地形も実に山城向きだな、と感じる。
実は竹田城の石垣を築いたのは赤松広秀で、秀長やその後に城主を任された家臣・桑山重晴の時代には、この光景は存在しなかったという(多少の石垣はあったのかもしれないが……)。
が、これだけの急峻さがあれば、たとえ石垣はなくとも、なかなかに堅固な城だったのは間違いない。





