――お互いのことを気にしていたんですか?
吉田 最初は本当に偶然で2人とも「本当によく会うね」って笑ってたんですけど、次第にご飯を食べに行く回数が増えていきました。その中で彼に対して「この人には何でも相談できるかも」という他の人には感じない心理的安全性みたいなものがだんだんできていった気がします。
――たしかにチームメイトなどには相談しづらいこともありますよね。
吉田 チームメイトや家族だからこそ、あまり心配かけたくないという気持ちで話せなかったことは正直ありました。当時の私はまだ20代で「アスリートだから強く見せなきゃいけない」と思い込んでしまって、オリンピック予選で不安を抱えていても誰にも言えない状況で。でもアスリートの気持ちは伝わるけど競技が違う彼には何でも相談できたんです。
「実は彼に会うまではあんまり結婚願望が強いタイプではなくて」
――ちょうどいい距離だったんですね。
吉田 競技が違ったからこそ自分の弱さを素直に吐き出せたんだと思います。彼は同い年ですけど選手としては引退して新しくコーチとしての道を切り拓いているところで、ちょっと先を歩いてる感じもありましたね。「日本を強くしたい」と情熱を語るのも尊敬できましたし。
――交際が始まったのは2021年の夏で、1年と割と短い時間で結婚を決意されています。早く結婚したい気持ちはあったのですか?
吉田 実は彼に会うまではあんまり結婚願望が強いタイプではなくて、「自分が結婚する」という可能性を真剣に考えたのは彼にあってからですね。
――結婚願望がなかったというのは何か理由があったのでしょうか。
吉田 カーリングでオリンピックを目指してると年の半分は海外で、日本にいてもトレーニングと大会がどうしても優先されるんです。なのでちょっといい感じになった人がいても自然消滅したり、何回かデートっぽいことはあってもきちんと「付き合おう」というところまでいかなかったりすることが多くて。でも今の夫とは、お互いにどこかで「この人なら付き合える」と思えたのかもしれません。
――世界を転々とすることに慣れてるからですか?
吉田 それも大きいし、遠くで生活してるなかで仲良くなったり関係性を続けたりすることに慣れてるんですよね。いつも一緒にいないと強く不安になってしまう人だったら、私はオリンピックを目指す以上は自分の生活を変えられなかったし、彼もコーチとしてのキャリアを作るためにオーストリアで頑張らなきゃいけない。そんな状況だと、いつも一緒にいないと不安になっちゃうとなると関係性は築きにくいですし。

