内臓がドローっと粘土のようになり……

 コンクリートで固められた死体は、空気に触れずに保存されるため、外形はやわらかな灰白色の粘土に似た、蝋人形のような状態に変化します。体の内側にある肉や臓器は腐敗していくのですが、コンクリートの中で空気が遮断されると細菌も入り込まないため、蝋人形のようなみた目になるのです。

 そして内臓まで屍蝋化が進むと、弾力のないドローっとした粘土のような質感に変化します。屍蝋化が完成した死体を解剖すると、どこからが心臓でどこからが肺かの境界線すらもわからなくなります。

死体の隠蔽という意味で、コンクリート詰めは不適切だと解剖医は語る ©GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート

 コンクリートは、ホームセンターに行けば簡単に手に入りますが、素人がすることですから完全な密封は不可能です。固めたコンクリートのどこかに隙間ができ、そこから異臭や液体が滲み出てくる場合がほとんどでしょう。また、一時的にはほぼ完璧に密閉できたとしても、やがては死体の膨張によってコンクリートのどこかにヒビが入り、そこから腐敗汁が滲み出てしまいます。

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 死体をドラム缶に入れてコンクリート詰めにして、海に沈めても結局は同じです。時間が経てば、内部が腐敗した死体からガスが出て内側から圧がかかり、ドラム缶の浮力となって浮き上がってくるため、いずれは発見されます。

 ちなみに屍蝋化した死体の臭いは強く、腐敗死体や水中死体とも異なる、なんともいいようのない独特の異臭がします。その臭いは解剖後数日間手先から離れないぐらいです。

 現実問題としてそこまでやる人はいないと思いますが、本気で死体をコンクリート詰めで隠しとおそうと思ったら、まず死体を完全にミイラ化させて水分を蒸発させ、膨らまないような乾燥状態にしてから、コンクリート詰めにするしかありません。これを行うには膨大な時間と労力、それに設備も必要です。そこまでやったとしても死体がなくなるわけではないので、むしろ証拠を保存していることになります。

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