テレビや雑誌に出ている有名な占い師が「お清め用」として塩を販売している例もあります。塩は安価で日常的に使われており、特別な説明がなくても受け入れられるという点で、非常に扱いやすい商品です。当然ですが、プラセボ効果が関の山で、ただの塩化ナトリウムです。
三つ目が石です。
水晶やパワーストーンと呼ばれるものは、三つの中で最も単価が高く、占い師の収益源になりやすいです。石の価値など素人には判断できないので、占い師の言い値で売りつけることができますし、「私が力を込めた」と言えば、いくらでも値段を釣り上げられます。
石は塩や水と違って消費されるものではありませんが、継続的に買い替えてもらうために「半年経つとエネルギーが切れる」などと言って定期的に店に来させたり、「私以外の人がパワーを入れ直すと危険」と脅すなど、イカサマ理論を平気で語ってきます。
10年くらい前に流行ったものだと、女性器に石を入れることを勧めるスピリチュアルもありました。医学的にも明らかに危険であり、もはや占いの範疇を超えていますが、こんなやり方でも「効果があるかもしれない」と期待を持つと、多くの人が購入してしまいます。大金をかすめ取るのみならず、相談者の健康すら脅かす。こんな占い師が相談者の幸せを考えているはずがありません。
そもそも、パワーストーンそのものに特別な力が宿っているという根拠はありません。
あるお笑いタレントはラジオで「パワーストーン屋さんの閉店セールなんてよくあるだろ。本当に石に力があるなら、店は潰れないはずじゃないのか」と笑っていましたが、全くその通りだと思います。結局のところ、パワーストーンはただの石に過ぎないのです。
失ったお金は戻ってこない可能性が高い
ところで「たかが水、たかが塩になぜ大金を注ぎ込むんだろう」と思った方もいるのではないでしょうか。もしかしたら騙された人が悪いと思う人もいるかもしれませんが、当事者にとっては極めて切実で、真剣に信じ込んでいるのが実情です。
実際、子どもの進学のために貯めていた数百万円を、夫に内緒でつぎ込んでしまったという相談を受けたこともあります。
私は一応弁護士へ相談するよう伝えていますが、お金が戻ってくる可能性は低いです。
過去に知人の弁護士へ相談したこともありますが、占い師との交渉は話が嚙み合わず、労力に見合わないとして、この種の案件を敬遠する弁護士も多いと聞きました。
