失ったお金がそのまま戻ってこないことから泣き寝入りしてしまう人や、騙されたことが恥ずかしく、誰にも打ち明けずに隠す人も少なくありません。こうした傾向こそが、占いや霊感商法の被害特有の特徴です。

 そう考えると私が見聞きしてきた被害は、氷山の一角に過ぎないのでしょう。

占いを入り口とした詐欺被害が急増

 開運を謳って物を売る霊感商法にとどまらず、占いから株や投資、宝くじなどに誘導し、金銭を騙し取るなどの詐欺行為へと発展するケースもあります。

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「私の占いによるとこの株が上がる」「今は投資にいい運気」

 こんな甘い言葉でお金を預けさせるところから詐欺は始まります。

 最初は少額の配当を実際に何度か払い戻し、安心させたところで「もっと儲かる」と高額な出資を促す。そして最終的には、1000万円単位の資金を集め、連絡を断つという流れです。

 さらに悪質なものだと、預かった出資金を配当金に充て、出資者をどんどん増やしお金を騙し取るケースもあります。この場合、新たな出資者から出資金を得ても配当で消えていくため、占い師側からすると大した儲けにならないのに、被害総額は雪だるま式に膨れ上がります。福岡県で同じ手口で女性占い師が逮捕されており、その被害総額は約20億円にものぼるといわれています。

 占いを利用した投資詐欺の厄介な点は、「占いの結果」を「配当金」という形で簡単に演出できてしまうことです。預かった資金の一部を配当金として返せば、実際に出資なんて行わなくても、占いが当たったように見せることができます。出資者は配当金を受け取ることで、「占い通りに投資したら利益が出た」と実感してしまうのです。

写真はイメージ ©beauty_box/イメージマート

 演出は配当金にとどまりません。「星の動きで株価変動を予測できる」とし、株価チャートに星の動きを重ねたグラフを示す詐欺師もいます。もちろん、それらは後づけで作られた図に過ぎませんが、もっともらしい言葉や実際に支払われる配当金を組み合わせることで、十分な説得力を帯びてしまうのです。

 投資や株価、宝くじに「必ず儲かる」と言い切って資金を集め、利益を得れば、それは明確な詐欺行為です。しかしたとえ捕まっても、投資詐欺などは犯人の手元に現存資産がなければ、被害金の回収は極めて困難です。

 福岡県の女性占い師のケースでも、20億円もの被害額があったにもかかわらず、多数の出資者への配当に消え、占い師の手元にはほとんど残っていなかったといいます。

 福岡県のケースに限らず、多くの被害者が資金を取り戻せないまま、泣き寝入りを余儀なくされているのです。