1400人の「日の丸」大部隊が参加
「バリカタン」とは九州のラーメンのようなネーミングだが、タガログ語で「肩を組んで」の意味である。1993年からほぼ毎年のように開催され、日本からも自衛隊が2012年以降オブザーバーとして参加していた。
だが今年、我らが陸海空自衛隊から派遣されたのは、1400人にも及ぶ実動部隊。実に前の大戦から81年ぶりに「日の丸」大部隊が上陸したのである。小銃からミサイルまで携えた大部隊という意味では、これが初となる。
陸上自衛隊からは水陸機動団に第1特科団等。海上自衛隊からは護衛艦「いせ」に「いかづち」、輸送艦「しもきた」、第71航空隊所属のUS-2救難機。そして、航空自衛隊からは基地防空地対空誘導弾部隊等々が、戦後初めてフィリピンに上陸することになった。
なお護衛艦「いせ」には齋藤聡海上幕僚長も乗艦。後にルソン島にも上陸した。この「バリカタン 26」訓練が日本にとっていかに重要なものであるかが計られよう。
重要目的は武器輸出の拡大
さまざまな制約のある国内とは違い、フィリピンは自衛隊も米比軍も心置きなく訓練に集中できる恵まれた環境である。そのうえ、国内ではとてもできぬ長射程の88式地対艦ミサイルなどの「ホンモン」の実弾射撃をすることができる。
日本が大規模な実動部隊をフィリピンに派遣したのは、もちろん極めて早急に対処しなければならん安全保障環境……具体的には中国の脅威に備えて、実戦的統合訓練を積み、敵国に「これ以上の侵略は多大な犠牲を伴い、高くつく」と知らしめるためである。
だが、重要な目的はもうひとつあった。それは、現高市早苗政権が初めて実現させた、殺傷能力のある防衛装備品、つまり武器の輸出である。
もちろん、その相手国には条件がつくのは言うまでもない。北朝鮮や中国に輸出しようもんなら、それは我らを殺傷させる凶器になりかねない。だが、同盟国に輸出すれば、武器の相互運用能力が向上するばかりか、共通の敵に備える一助にもなる。
日本とは地政学的共通点も多く、共通の敵に備えるフィリピンは、まさにその条件に叶うはずである。

