日本の国益にもかなう武器の相互運用

 かくして日比交渉の机上にあがったのが、海上自衛隊の「あぶくま」型護衛艦3隻と、陸上自衛隊の88式SSM(地対艦誘導弾つまりミサイル)であった。

撮影=宮嶋茂樹

 ともに1988年進水、そして、正式配備されてから既に40年近くが経つ。「あぶくま」型に取って代わって、最新「もがみ」型FFM(護衛艦)の配備も順調に進んでいる。その「もがみ」型も、豪海軍への輸出や共同開発の交渉が進展中である。

 また、射程200kmにも満たない88式SSMに代わり、詳細は明らかにされていないが、射程が5倍以上あり、かつ迎撃されにくい、12式SSM(地対艦誘導弾)の能力向上型や25式高速滑空弾も、熊本県の健軍駐屯地や静岡県富士駐屯地への配備が始まっている。

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 今まで、就役時は250億ともいわれた護衛艦や1発数千万円もするミサイルでも、除籍になれば屑鉄と同じ金額にしかならんかった。それを同志国というより準同盟国とも言っていいフィリピンに、中古価格で払い下げるわけである。

 フィリピンの安全保障の向上につながるばかりか、日本との武器の相互運用性が高まれば共同訓練のみならず、有事の際も「友軍」として武器の相互運用性も図れる。さらに、赤字続きの防衛産業の利益率も上がり、武器単価の減少にもつながり、国益にもなる。一石二鳥にも三鳥にもなるのである。

撮影=宮嶋茂樹

「バリカタン 26」には日本だけではなく、豪・ニュージーランド・加・仏等7カ国から実動部隊が、さらに、韓・越・インドネシア・カンボジア等13カ国がオブザーバーとして参加した。その中には、あの人民解放軍の軍服は見えない。

 それもそのはずや。これら大小の武器の銃口砲口は、台湾とフィリピンの間に横たわるバシー海峡に向けられ、照準は海空からフィリピンへ侵入してくる「仮設」武装漁民や「敵上陸部隊」に合わせられていたのである。(つづく)

次の記事に続く 米軍ハイマースの連続発射、自衛隊による実弾射撃も…不肖・宮嶋がフィリピンで激写した「日米比バリカタン」衝撃の瞬間

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