2026年4月から5月にかけて行われ、日米比をはじめ多国籍部隊が一堂に会した合同演習「バリカタン 26」。フィリピンの灼熱のビーチに、戦後初めて1400人の「日の丸」実動部隊が上陸した。

 国内外のメディアの目を最も引いたのは、米軍ハイマース(HIMARS)の轟音でも、ノルマンディーさながらの実弾射撃訓練でもなかった。同時並行して行われた米比共同地上戦闘訓練「サラクニブ 26」、そして自衛隊の地対艦ミサイル「88式SSM」発射の瞬間を、報道カメラマンの不肖・宮嶋が解説する。(全3回の3回目/最初から読む)

撮影=宮嶋茂樹

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自衛隊「16式機動戦闘車」の恐るべき機動性

「サラクニブ 26」には陸上自衛隊第12旅団から約420名と、16式機動戦闘車(MCV)が参加。先の大戦以来81年ぶりに日本の戦車(装輪装甲車だが)が上陸し、実弾射撃までしたのである。

 こちらは報道陣に公開されなかったので、防衛省のレポート等からの情報だけでしか判断できんが、この16MCVは74式戦車と同等の105mmライフル砲および機関銃を搭載しつつ、足回りは装軌(キャタピラ)式ではなく8輪のタイヤ履き。驚くべきは、スラローム走行の最中でも105mm砲が常に目標をロックオンし続け、正確無比な射撃を行い、その反動でも車体がびくともしないことである。

撮影=宮嶋茂樹

 巨大なタイヤを履きながら悪路も難なく乗り越え、舗装路なら時速100km以上で走行できる機動性。実際、16MCVは首都高を走っていることもあるくらいである。

 さらに10式戦車より18tは軽い26tという車重は、日本は無論、フィリピンのほとんどの橋を渡ることができる。ちなみにこの16式MCVは航空自衛隊のC-2輸送機に積載でき、与那国島にも上陸したこともある。

「ヘル・ファイアー」ミサイルの実弾射撃も

 さらにはるか洋上の目標には米陸軍のAH-64通称「アパッチ」ヘリが対地対艦攻撃もできる「ヘル・ファイアー」ミサイルを実弾射撃。かなり遠方からだが、その光景が垣間見えた。

 実は2006年8月8日、不肖・宮嶋は当時ハッサン・ナスララ師が仕切るテロ組織「ヒズボラ」が支配し、IDF(イスラエル軍)が包囲するレバノン南部のスール市で、IDFのアパッチ・ヘリからこの「ヘル・ファイアー」ミサイルを撃たれるという貴重な経験をした。

 むろん「動く者は自転車でも人間でもすべて撃つ」というIDFからの警告は、ちゃんと受けていた上でである。IDFは被害を拡大させるために目標を攻撃したのち、犠牲者を救助するため現地人が集まってきたとこを見計らって第2弾をぶちこんでくる。そう知っていたのにもかかわらずである。