マイケル・ジャクソンにとって生涯最大のライバルと言える存在が、プリンスである。
ともに1958年生まれで、中西部(インディアナとミネソタ)育ちのふたりだが、当初は比較されることはなかった。デビューは9年違っていたし、マイケルが歌って踊れるエンターテイナーだったのに対し、プリンスはあくまでシンガー・ソング・ライターだったからだ。
転機となったのは、ふたりがともに尊敬するジェイムス・ブラウン(JB)が83年8月20日に行ったロサンゼルスのビバリー・シアターでのライブにおける偶発的な共演である。
マイケルに敗北感を覚えたプリンス
JBにステージに呼び込まれたマイケルが切れ味鋭いダンスを披露すると、続くプリンスはギターをかき鳴らし、マイクスタンドをなぎ倒すなどワイルドなパフォーマンスで応じた。しかしマイケルに敗北感を覚えたプリンスは密かに自己流でダンスの猛特訓をはじめ、翌年発表のアルバム『パープル・レイン』のころには華麗なダンスを披露するようになる。
このころから、両者は並び立つ存在として認識されるようになった。そんなふたりの正式な共演となるはずだったのが、85年の「ウィ・アー・ザ・ワールド」である。




