「キング・オブ・ポップ」マイケル・ジャクソンと同い年のスーパースター、マドンナ。ミュージック・ビデオの全盛期に、革新的で過激な表現で爆発的な人気を得たマドンナは、マイケルにとってどんな存在だったのか。相容れることのなかったふたりの魂と、その絆について解説する。
「イン・ザ・クローゼット」~二大スター幻のコラボレーション
マイケル・ジャクソンとマドンナ。ともに80年代を代表するスーパースターで、トップの座を競い合ってきた同い年のライバル、そして戦友である。公私にわたる親密な交流では、時に激しいやり取りもあった。ミュージシャンとしてのキャリアや創作へのアプローチも対照的だ。
そんなふたりを形容するならば、水と油。しかし、決して混じり合わないキャラクター同士だからこそ、深い絆が生まれたのである。
その関係は、1991年の第63回アカデミー賞授賞式で初めて世界中の注目を集めた。ふたりは真っ白な衣装に身を包み、手を繋いで登場したのである。まさに交際が噂されていた渦中でのサプライズだった。のちにマドンナは自身のインスタグラムのアカウントで当時の写真を投稿し、そこには「Best Date Ever!!(人生で最高のデート!!)」というコメントが添えられていた。
ふたりの交流は授賞式後も世間を賑わせた。ディナーや映画に出かけたり、ときにはふざけ合ったり……と。お互いのことをもっと知りたいと思った両者が共演したいと考えるのも自然な流れだった。しかし、皮肉にもこれが両者が決裂するきっかけとなる。
アルバム『デンジャラス』(1991年11月26日発売)を制作していたマイケルが、「イン・ザ・クローゼット」という曲でマドンナにコラボレーションを持ちかけたときのエピソードだ。依頼されていた歌詞をマドンナが見せたところ、マイケルは難色を示した。想像以上に過激な言葉が列んでいたのだ。
加えてマドンナは、曲のミュージックビデオでマドンナが男装をし、マイケルが女装をするアイデアを持ちかける。するとマイケルはプロデューサーのベイビーフェイスに「僕はそんなこと絶対にやらない」と告げたという。
こうして共演計画は頓挫し、そのまま両者は疎遠になってしまう。



