マイケル・ジャクソンの半生を描いた『Michael/マイケル』。世界を熱狂させた「キング・オブ・ポップ」の伝記映画だけに、アメリカ本国のみならず、日本をはじめ全世界で大ヒットを記録している。ここでは『Michael/マイケル』にまつわるミュージシャンの伝記映画を紹介していこう。

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「追体験するメディア」としての『ボヘミアン・ラプソディ』

『ボヘミアン・ラプソディ』©Collection ChristopheL via AFP

 これまでも多数作られてきたアーティストの伝記映画が、近年より注目されるようになったのは、ロックバンド・クイーンのヴォーカリスト、フレディ・マーキュリーの人生を追った『ボヘミアン・ラプソディ』(18年)のメガヒットからだ。

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『ボヘミアン・ラプソディ』は、『Michael/マイケル』を手がけたプロデューサーのグレアム・キングたちが中心となったプロジェクトである。この2作品に共通するのは、パフォーマンスの再現性だ。

 1985年7月13日に行われたチャリティ・イベント「ライブ・エイド」で行われた「クイーンが『ライブ・エイド』を乗っ取った」とささやかれたほどのライブを、見事に再現したのだ。

「レディオ・ガ・ガ」でフレディが「エーオ!」とあおれば、観客から大音量で反応がある。そして「伝説のチャンピオン」に至るまで、観客を巻き込む彼らの演奏をつぶさに描写しているのだ。

 フレディ役のラミ・マレック、ブライアン・メイ役のグウィリム・リーをはじめとする俳優たちのみならず、スタッフも含めて、細部に至るまで彼らの動きを研究した結果だろう。

 クイーンを知らない世代にも、その偉大さが体感できる映画……もはや観ることのかなわないアーティストを「追体験するメディア」としての伝記映画を確立した作品と言える。