公民権運動のアイコン『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』
「ミスター・ダイナマイト」ことジェームス・ブラウンを描いた『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』(14年)も、「追体験するメディア」としての魅力が詰まっている。
ソウルとポリリズムを融合させた「ファンク」のジャンルを確立し、その音楽にパワフルな動きを掛け合わせた「動けるシンガー」JB。
後のマイケルに多大な影響を与えたJBの動きを、独特のステップや股割り、マイクを蹴るなどのパフォーマンス、そして破天荒な私生活に至るまで、チャドウィック・ボーズマンが演じきっている。
そして、この映画では「公民権運動のアイコン」としてのJBをも再現している。
1968年4月4日にキング牧師が暗殺され、全米で暴動が起こった。その翌日、JBはボストン・ガーデンで公演を行う予定だった。ボストン市長のケビン・ホワイトは公演中止を勧告する。だが、JBは予定どおり公演を行う。しかも、このコンサートは生中継される。
JBは警官を下がらせて、観客の良識を信じる。それでもステージに上がろうとする黒人の観客を制したJBは「俺たちは黒人だ! 誇りある黒人だ! 自覚を持て! 誇りを示せ!」とシャウトする。
キング牧師暗殺事件発生後、大規模な暴動を免れた数少ない大都市がボストンだったと言われている。その象徴として、この日のJBのステージは語り継がれている。



