予期せぬ“ハプニング”

 とはいえ、地元民だけでなく、他州や他国から訪れるサッカーファンや観光客のためには、W杯期間中に26ドルで市内数百件のレストランでW杯特別ディナーが楽しめる企画もある。外食の高いニューヨークでは、これも破格と言える。さらに公立学校の前を「サッカーストリート」とし、子どもたちが安全にサッカーを楽しめる場とする。

 これらは「すべてのニューヨーカーがW杯に参加し、楽しむため」の取り組みだ。

 だが、今夏のニューヨークのスポーツ・シーンにおいて、予期せぬ“ハプニング”が起きてしまった。NBAのニューヨーク・ニックスが27年ぶりにファイナル進出を決めたのだ。しかもプレイオフ怒涛の11連勝を果たし、ニューヨークは蜂の巣を突いたような大騒ぎとなっている。そのNBAファイナルの日程(6/3~6/19)が、W杯(6/11~7/19)と見事に被ってしまっている。

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 ニューヨーカーはサッカーとバスケ、どちらに集中するのだろうか。

©︎AFLO

アメリカ市民のリアルな感情

 4年に1度のサッカーの祭典に、世界が、アメリカが、ニューヨークが、興奮している。同時にチケット代のあまりの高さに「これでは家族連れで行けない」と諦める人がいる。「戦争中なのに」とエキサイトし切れない人がいる。

 さらにロサンゼルスでは国土安全保障省がW杯期間中の「ICE(移民関税執行局)の配備」を宣言し、楽しいはずの時期が恐怖に変わってしまった人たちがいる。これらが理由となって、熱心なサッカーファンでありながら「試合は追うが、FIFAに金は落とさない」と試合や関連イベントをボイコットする人まで出ている。

観客動員数は過去最高に?

 それでもFIFAは今年のW杯は観客動員数が過去最高になると見込んでおり、専門家の多くも開催日が近づけばチケットも売れ始めると予測している。周辺事情はさまざまなれど、選手たちが熱く、真摯なプレーを見せてくれることは保証されているからだ。

 ニューヨーク/ニュージャージー・スタジアムでの最終ゲーム7月19日には、W杯初となるハーフタイム・ショーも行われる。ヘッドライナーは、シャキーラ(コロンビア)、マドンナ(アメリカ)、BTS(韓国)だ。このパフォーマンスは、世界中の子どもたちが教育とサッカーにアクセスできるよう1億ドルの資金調達を目指す「FIFAグローバル・シチズン教育基金」の一環でもある。