「規制を進めるべき側が、SNSの悪い活用法を実践したとすれば、これ以上の皮肉はありません」
そう語るのは、ドイツ出身のエッセイスト、マライ・メントライン氏(42)だ。
民主主義は、フェアな政治活動によって成り立ち、守られていくものです。議論による正当な批判ではなく、対立する候補者や政党への真偽不明の情報や人格攻撃を伴う言説を、SNS等で流布する“ネガティブキャンペーン”は、到底許される行為ではありません。
昨年1月、ドイツのシンクタンクが、2月の総選挙を前に、ロシアが極右勢力の支持拡大などを狙い、偽情報工作を行っているとの分析を発表しました。当時、「国外からドイツの民主主義への戦略的な攻撃である」と、話題になりました。
先の衆院選は、これ以上なくアンフェア
今回のケースでは、国内勢力、しかも国のトップの高市早苗首相陣営によって、民主主義の根幹である選挙が歪められた可能性がある。解散から投開票までの日数が、戦後最短であったことも併せて考えると、先の衆院選は、これ以上なくアンフェアです。「戯画的な独裁政権じみたことするのか」と、驚かざるを得ません。
日本は他国と比べ、政治活動への参加率が著しく低いと言われます。そんななか、匿名性を活かしたネット空間は、議論の場として機能している印象がありました。しかし、ここ最近はフェイクニュースが入り乱れ、健全な空間とは言えなくなっているのが実情です。
EUでは2022年、デジタルサービス法が施行されました。ネット上のフェイクニュースなど有害コンテンツの拡散防止が目的で、違反すれば、事業主のみならず、プラットフォーム側にも罰則が与えられます。
前述の独総選挙前には、この法律を根拠として、大手プラットフォームに対し、正しい安全対策が行われているか、検査が実施されました。すぐに一掃することは難しくとも、明文化することで、世間はもちろんプラットフォーム側の意識も変えられる。EUでは着々と対策が推し進められていますが、日本は極めて遅い。
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この続きでは、米トランプ氏や独メルケル氏との比較、日本のメディアの分析、また動画全盛時代にどう向き合うべきかを論じている。「週刊文春 電子版」で「高市首相”中傷動画”問題 私はこう考える」と題して配信中。
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