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“慈しみ”の5冊
『春の夢』宮本輝
借金を抱え、釘で打ちつけられた蜥蜴と暮らす大学生。人生を真摯に生きるとは何か。憂鬱も苦悩も葛藤も、すべて自分の糧になる。
『愛の試み』福永武彦
愛の本質は、孤独だ。どうして愛は「試み」なのか。相手を完全には理解できないからだ。それでも近づくことをやめない。その未完の運動のなかに、愛がある。
『ライ麦畑でつかまえて』J.D.サリンジャー
主人公のホールデンの不器用な怒りと孤独は、私たちが大人になる過程で置いてきた感情だ。忘れていたことすら、忘れていた。絶対に人生で一回は読んでいただきたい作品である。
『ニュー日本文学史』三宅香帆
歴史の中の人物も、ひとりの人間だった。いまの私たちと同じように悩み、迷っていた。文学を読むと、その孤独が時空を越えてこちらに届く。その瞬間、私たちは少し安堵する。
『14歳』千原ジュニア
千原ジュニアさんの引きこもり時代を書いた本。だが、この本の真ん中にあるのは、孤独ではなく愛だ。「お元気で」。たった一言が、心を震わせる。14歳に限らず、誰にでも響く本。
本記事は2026年4月27日(月)~5月31日(日)に代官山 蔦屋書店にて開催された選書フェアのコメントを再録したものです。




