日本経済の中心地、東京・丸の内から“マル秘”財界情報をくわしくお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「丸の内コンフィデンシャル」。最新号からダイジェストで紹介します。
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“令嬢”の損切り
野村證券系のITシステム大手として、安定した高収益を上げる野村総合研究所(NRI)。柳澤花芽(かが)社長は、柳澤伯夫元金融相を父に持つ“令嬢”である。
老朽化システムの更新やAIなどのデジタル技術活用ニーズは高まっており、金融機関や産業向けのシステム開発・運用サービスで盤石なビジネス基盤を築く。主要顧客には、大株主の野村ホールディングス(奥田健太郎社長グループCEO)があるほか、セブン‐イレブン・ジャパン(阿久津知洋社長)も1970年代から関係が続くお得意様だ。
そんなNRIの決算に異変が起きたのは今年4月下旬。26年3月期の本決算において、海外事業で1000億円弱の減損損失を計上したと発表した。対象となったのは豪州と北米の買収会社だ。とりわけ豪州は16年の買収によるサービス開始以降、現地での買収や組織拡大を進めてきたが、慢性的な低収益に直面。のれん代のほぼすべてを減損に充てる決断を下した。これにより、連結業績は前期比57%の営業減益となった。
「ここまで思い切った損切りをするのは意外だった」と感想を漏らすのは、ある金融関係者だ。24年4月に社長となった柳澤氏は社長レースのダークホースで「周囲の男性経営陣に気を遣うのでは」(同関係者)とみられていたためだ。
今回柳澤氏がナタを振るった豪州事業は、前社長で現在取締役会長を務める此本臣吾氏の肝煎り案件。柳澤氏は此本氏が敷いた海外路線は勝算がないと判断し、減損と同時に海外事業の収益目標も大きく引き下げた。社長就任から2年が経ち、「柳澤色」を徐々に打ち出し始めている。
とはいえ、柳澤氏の路線がこの先盤石とも限らない。
※この続きでは、「使い勝手が悪い」との評判について、関係者がコメントしています。約5700字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年7月号に掲載されています(丸の内コンフィデンシャル)。

