検察官に「ずっとウソをついていたのか?」と問いただされた佐藤被告
最後に検察官が取り調べの段階から一貫して否認していたことについて、厳しく問いただした。
検察官「あなた、初公判のときは被害者の自傷行為だと言っていませんでしたか?」
佐藤被告「ハイ……」
検察官「ずっとウソをついていたということなんですか?」
佐藤被告「ハイ……」
検察「本来ならもっと早く自分がやったんだと話すべきだったんじゃないですか?」
佐藤被告「そうです」
検察官「被害者はどんな気持ちだったと思いますか?」
佐藤被告「腹が立ったと思います」
検察官「乳首を切られて、指1本欠損、顔面を殴られ、300万円。本当にそれで許していると思いますか?」
佐藤被告「私は思いません」
検察官「どれほどの痛みと恐怖だったか考えていますか?」
佐藤被告「ハイ……」
検察官「逮捕されるまで3週間逃亡していましたよね?」
佐藤被告「ハイ……」
検察官「そのときにAさんの母親に『今回のはAさんの自傷行為です』という手紙を書いていませんか?」
佐藤被告「お母さんとは仲が良かったので、誤解されたくなかった……」
検察官「いや、詳細に書いていますよ。ウソの内容を書いていますよ。今後、AさんやAさんの家族とは一切接触しないということでいいですね?」
佐藤被告「ハイ、分かりました……」
同年6月19日、大阪地裁の藤永祐介裁判長は佐藤被告に懲役3年、保護観察付きの執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。その瞬間、佐藤被告は驚いたような表情で知人たちが座る傍聴席の方角を振り返り、それから嗚咽を上げて泣き始めた。
同裁判長は3件の傷害事件についていずれも佐藤被告が主張していたような「被害者の同意があると誤信していた」という主張は認めなかったが、「刑事責任は相当高いものの、被害者の宥恕を得られたことは、刑罰を下げる事情になる。遅まきながら犯行を認め、治療に取り組み、反省の態度を見せ、養父の監督も期待できることから、それでもなお実刑相当とも考えられるが、今回に限って社会内での更生の機会を与えるものとする」と述べた。佐藤被告は判決文を読み上げられる間中、泣きづめだった。
最後に同裁判長は次のように説諭した。
「裁判所としてはあなたの主張は認められないということになります。自らの問題と向き合った上で更生してもらいたいと思います。実刑相当ではありますが、被害者に300万円を支払い、更生に向けて努力し、ギリギリの判断をしたということです。あなたのやったことは到底許されない。被害者に一生残るケガを負わせた。そのことを忘れないようにしてください」
判決言い渡しが終わると、佐藤被告は満面の笑みを浮かべて立ち上がり、スキップしながら両手でVサインを見せた。
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